ハイパフォーマンスWebサイト
現在参加しているプロジェクトではこれまでプログラムのソースコードの品質評価をするチームにいましたが、一ヶ月程前にパフォーマンステストチームに参加することになったので、何か良い情報ソースは無いかと探してみたら良いタイミングで出版されていたこの本「ハイパフォーマンスWebサイト」を見つけて読んでみました。
この本の著者は、前回読んだスケーラブルWebサイトの著者と同じくYahoo!に籍を置き、そこのパフォーマンスチームで本格的にパフォーマンスに関する仕事をしている人物であり、またYSlowを開発した人物でもあります。これに書かれていることはどれもパフォーマンスの改善にとても有効な情報ばかりです。
読んでみると色々なことを発見させられました。この本はJavaや.NETやPHP、はたまたDBやネットワークのパフォーマンス改善、スケールアップやスケールアウトといった、Webアプリケーションのバックエンドのパフォーマンス向上には全く触れていません。(コンポーネントの取得元のホストを複数(2個以上4個未満)にして並列ダウンロードすると効果的であるということは書かれていますが)全てフロントエンドに徹底して説明されています。
何故ならレスポンスタイム(本ではこの言葉が使われているが、ターンアラウンドタイムという言葉の方がより適切な気がします)のうち、バックエンドの消費時間は20%から30%程度で、残りの70%から80%はフロントエンドに時間がかかっているからです。その為、フロントエンドにパフォーマンス改善のターゲットを置いた方が、小さなコストでより大きな効果を得やすいと言うことなのです。
この本を読んで得た知識は、自分の今のパフォーマンステストチームでの仕事だけでなく、今後もWebアプリケーションに関する仕事をしていく上でどれも、どこででも使える力になるものだと思います。これからもこの本を仕事の横に置いて繰り返し読んでいきたいと思います。
因みに、この本で今回紹介されているルールは14個ですが、Yahoo!のパフォーマンスチームでは更に追加の20個のルールを発表しています。http://developer.yahoo.net/blog/archives/2008/03/yahoos_latest_p.html
兎に角べた褒めですが、それだけ価値のある本です。自分がこれまでに読んできた本の中でもBEST5には入るのではないかと思います。
以上、ハイパフォーマンスWebサイトの評価は・・・★★★★★(満点)
ハイパフォーマンスWebサイト ―高速サイトを実現する14のルール
- 作者: Steve Souders,スティーブサウダーズ,武舎広幸,福地太郎,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2008/04/11
- メディア: 大型本
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