Java GUIプログラミング (Vol.1) [★★☆☆☆]
JavaGUIプログラミング JavaSE6対応 Vol.1
- 作者: 大村忠史,池田成樹
- 出版社/メーカー: カットシステム
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 54回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
本の内容はやさしいです。サンプルコードも豊富に掲載されています。
但し、誤字・誤植がかなり目立ちます。サンプルコードと実行結果が矛盾していて別のプログラムを実行したのだろうと思うものもありました。また間違って説明されているものもあります。
例えば、393頁
SwingWorker クラスは2つのジェネリクスで型を指定する必要がある。前者の List
は、後述の doInBackground メソッドの戻り値を規定する。メソッドの戻り値に対してジェネリクスを適用するのは、Java SE 6 からの新機能である。
ここで説明されている、メソッドの戻り値に対するジェネリクスの適用とは、共変戻り値型のことで、J2SE 5.0 で追加されました。
また、394項では、SwingWorker クラスの doInBackground() メソッドの処理は同期的に実行され、その処理が完了するまで、同クラスの execute() メソッドの呼び出し元スレッドはブロックされて待たされると誤解させる説明があるのですが、doInBackground() メソッドはバックグラウンドで実行され、execute() メソッドの呼び出しはワークスレッドのスケジュールを行うだけで直ちに制御が帰ってくるので足止めされること無く次の処理を行うことが出来ます。
それからサンプルが豊富と書きましたが、ある意味で冗長です。Swing コンポーネントの HTML サポートの話に50項は多い気がするし、各サンプルコードの間に数行しか違いが無くても、常に最初からサンプルコードが始まるのでページが無駄だし、プログラムの頭から読んでいる人がいるとしたら時間を無駄にさせてる気もします。
とまあ今回は少し厳しい評価になってしまいました。