Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方

ギークによって書かれた、これから小さな ISV (独立系ソフトウェア会社)をやろうとしているギークのため本の訳本です。
原著は2006年3月に出版されており、訳本の登場までに少し時間が経過していますが、古さは殆ど感じません。


著者の Eric Sink さんは実際に、構成管理ツールなどのソフトウェアを開発して販売する SourceGear という会社の起業家です。
この本は著者のブログ Selected Blog Posts から、小さな ISV の経営やビジネスに関するエントリを集めて本にしたものであり、内容は SourceGear の経営において著者が経験した成功や失敗から、これから ISV を始めたいと思っている人、そういった迷いのある人に対してのアドバイスをジョークや皮肉を含めユーモアを交えながら書かれており、読んでいて退屈しないとても面白いものになっています。
かと言って只のジョークばかりでなく、どの話も凄く勉強になりました。


全体を通してどれも興味深く面白かったけど、一人でゲームを開発して販売する会社(マイクロ ISV)の事業の実験の話は特に面白いと感じました。
すっかり Eric Sink さんのファンになりました。


これから小さな ISV を始めようとしている人に限らず、既に小さな ISV を経営している人にも、会社と現在雇用関係を持って働く開発者にとっても、読むと良い本だと思います。
それに対して、第三者ベンチャーキャピタル)から投資を受けてベンチャー企業を始めようと計画している人や、一定規模以上の会社の経営者(社員数が数百人以上の会社?)には、向かない本だと著者本人が言っています。


今回この本を読んでの評価は・・・★★★★★(ひさびさ満点パチパチ)


Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方

Eric Sink on the Business of Software 革新的ソフトウェア企業の作り方